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常に寝たきりの状態

上体が初度程度しか上がっていない状態で背中をもたれて座る座り方を「半座位」(図5)といいます。初度程度の角度で上半身を起こす半座位に慣れできたら、徐々に必度、ω度と上半身を起こすように角度を増やしていきます。角度を上げる際には①初度以上起き上がらせる際に腰からおしりの皮膚が圧迫されたり、こずれたりして傷がついたり赤くなったりしていないか②顔が蒼白になって冷汗をかいたり、あくびをして口唇が紫色になるなどの表情を示していないか③からだが横のほうに倒れてこないかの3点をとくに注意して下さい。仰臥位から半座位、長座位へと徐々に上体を上げていくことを、ベッドの操作機構の呼称からとってといっています。祷癒治療の専門家の中には「ギヤジアップ初度以上は禁止」という人がいます。それは、常に寝たきり状態などでぐったりと寄りかかっている高齢者や低体力の患者さんがギヤジアップで起こされると、轡部の皮膚に大きなズレやこすれの力が加わるためです。健康なからだの皮膚であれば強くこすられでも痛いと思うだけで済みますが、長期間にわたって寝ていた人は、皮膚全体が健常者の起き上がるとからだが横に倒れる、血圧が低下するなどの場合は長座位になる前に半座位の練習をします。ただ背もたれを30度以上起こす際は腎部の皮届が引っ張られたり圧迫されていないかのチェックが必要ですo肢の下の皮膚のように薄くなっています。これを皮膚の「廃用症候」といいますが、薄くなっている皮膚が汗や尿で湿っている場合はさらに弱くなっており、この状態にこすれの力が加わりますと、裂けたり傷ついたりして祷癒を作る原因となります。角度は各人のからだの状態により異なりますので一概に決めることはできませんが、ギヤジアップ初度以上にする際は、鴎同部{}腰の皮膚をときどきのぞくなどの配慮をしながら慎重に起こすようにして下さい。一つの目安として徐々に角度アップ、起立性低血圧に注意ギヤジアップをした際に頭に行く血液が少なくなって気分が悪くなり、時には意識消失をきたすことがあります。こうした状態を起立性低血圧といいます。これは、長期間臥床をしていることにより、血管が縮んだり、聞いたりする機能を失ったために生じる症状で、廃用症候群の一つです。起立性低血圧を予防するには初度くらい起こす半座位の時間を長くする声をかけたり、楽しく話をして意識を高揚させながらギヤジアップをするなどが必要となります。

精神面を豊かにする

このことから、座ることは移動の第一歩となることがおわかりいただけると思います。寝ているより上体を起こすだけでからだの働きが変わる精神面や移動のしやすさ以外に、身体面では、座っていると足の血管が縮み、頭の血管が開くことにより全身に一様に血液が行きわたるような仕組みが働きます。そして、座っている状態から横になって休みますと、今度は足の血管が拡大し、頭の血管は細くなります。このような働きが生じないで、横になっても頭の血管が聞いたままですと頭に血液が多く行き過ぎ、頭が痛くなりますし、座っているときに頭の血管が細くなっていますと、頭に血液が送り込まれないため固まいが生じてしまいます。これを「起立性低血圧」といいますが、このように臥床状態から腰をかける動作に移るだけで血管は開いたり閉じたりとせっせと働き、活躍しているのです。さらに、座ることにより肺の働きや腸の働きがよくなり、肺炎や便秘が生じにくくなるなど、横になって寝ているより、腰をかけて上体を起き上がらせることだけでからだに大きなプラス面が生じます。このように、座ることはからだをより健康な状態に保つ上でも、また、移動を容易にする点でも、そして社会とまじわって精神面を豊かにするためにも大切といえます。り方とその条件座るためには胴体から首にかけての筋肉が強くなければなりません。しかし、長期間にわたって寝込んでいた、脳卒中や脊髄損傷などで胴体の筋力までが弱まっているといった場合には、腰をかけても左へ右へ、前後へと倒れてしまいます。このような人の場合には、ベッドの背を少し上げてもたれて座らせる布団の場合は頭首胸の後ろに布団や座布団、枕などを当てがって上半身をmim度もたれて起き上がらせるなどにより「座ること」に徐々に慣らせていきます。ます上半身叩度アップを目指しギヤジアップ布団やベッドの上で足を伸ばしたまま座る座り方を「長座位」といいます。ベッドの背を上げ、それにもたれて座った場合も両下肢は長く伸びたままですので「長座位」となります。布団やベッドの上で足を伸ばしたまま座るのを長座位といいます。この座り方は背もたれによる長座位よりも安定性が悪くなります。そこで膝を少し曲げて長座位をとりますと、楽で、そして安定性のよい座り方となりますが、さらに下肢を奈差させたり、片方の下肢を折り曲げて胡座(あぐら)のような形にして長座位をとりますと、安定性が増レます。

施設規模の小ささ

日本で特別養護老人ホlムといえば1フロアにωim人、全体で100人も200人も入所できる病院のような構造のものが多いのですが、パリの下町の老人ホ1ムは初iω人が居住できるだけといったように、施設規模の小ささには驚きました。そして、入居者と話をするうちにわかったのですが、私はあのアパートの2階に住んでいた、私はあの肉屋を営んでいたといった具合いに、自分の部屋の窓から子供の頃から住んでいた家をよく見渡せるのです。すなわち、町内に小規模な特別養護老人ホlムがあり、からだの具合いが思わしくなくなるなどの事情があれば、町内の集会場に行くように町内の特別養護老人ホlムに入るのです。「集会場に行くように」と表現しましたが、これは昼食時にそのような感じを強く受けたからです。昼食は1階の食堂に全員が集まってとるのですが、入居者以上の数の食事が用意されていて、それらを近所の高齢者が食べに来ます。ちょうど飛行機の機内食のような食事内容で、小さなワイン1本ずつがトレイの上に乗っていて、入居者は近在の旧友と一緒にワインを飲みながら昼食をとって談笑するといった様子でした。このために入居者は杖を使って、または車椅子に乗って1階の食堂にまで降りてくる必要があり、座ることは友人とお喋りをし、世間の様子を知る第一歩のようでした。自立移動の第一歩「思一聞は椅子に腰をかけて座る」デンマークでもフランスでも、特別養護老人ホlムの居住者について特徴的だったのは、背もたれによりかかっている人も含めて、全員椅子に腰をかけて座っていた点です。居住する空間はベッドコーナーと、それを家具や植木で隔てた居住コーナーとに分けられ、昼間に私たちが突然訪問した際も、必ず居住コーナーで腰をかけてテレビを見たり編み物をするなどしていました。日本では居室の中心に寝床やベッドがあり、1日中寝たり起きたりの繰り返しで過ごす入居者が多いのですが、その点では著しく異なっていました。車椅子に座っていても、ベッドに寝ていても、動けない点では同じではないかと思われるかも知れませんが、両者は歴然と違います。座ることができれば車椅子を使えますし、車椅子に座れれば移動でき、外出もできます。もちろんベッド臥床のままでも移動したり、エレベーターに乗ることも不可能ではなく、最近では普段臥床しているベッドに患者さんを寝かせたまま手術室へ入室させる病院も多くなりました。しかし、寝たままでの移動では人手も要しますので、往々移動というわげにはいきません。

在宅リハビリテーション

むしろ、脳卒中などの場合は早くから座る、立つなどで筋肉や骨に刺激を加えると回復が早いとの考えにもとづいて、からだがぐらついていても両脚全体を長い装具の中に入れて無理に立たせる治療法もあるくらいです。もちろん医師やプロの療法土が深い知識と経験にもとづいて行いますので、一般の人たちが物真似で行うのは禁物です。心筋梗塞についても、日本では最近でこそ2週間程度で治療を終えていますが、以前は1ヵ月も1ヵ月半も安静をとって治したものです。ところが、米国では病院によっては心筋梗塞発病後2日も経てば退院させて、在宅リハビリテーションのプログラムに沿って治しているところもあるぐらいです。日本では本人が病気の再発を恐れ、また病気にともなう次の症状発現を恐れて、過度の安静を求め、家族は家に閉じこめようとする傾向がみられますが、これらは寝たきりにさせないための心得に反します。静かにしすぎることは別の合併症を予防するよりも、安静による弊害を徐々に、そして確実に進行させます。したがって、高齢者は病気の呪縛から早く逃れることご家族は高齢者を精神的にも身体的にもおさえこまないことが大切です。東京都立の老人専門病院に長く勤務していた関係で、海外の老人ホームは日本の老人ホームの居住者とどのように異なるのか、海外から参考になることはないのかなどについて、デンマークやフランスの特別養護老人ホ!ムを視察したことがありますが、それぞれの国の施設にはおのおの優れた点があり、参考になることが多くありました。移動能力の維持、地元に住み続けることへの配慮が深い西洋の施設デンマークで見学した老人ホlムでは、入所高齢者はたとえ車椅子や歩行器が故障しても長期間にわたって動きが制限されないようにと、施設内に車椅子や歩行器杖を製作修理する部門が併設されており、専門の職員が旋盤機などを扱って作業をしていました。日本では医師の意見書にもとづき、役所の認可によってはじめて歩行器や車椅子を業者から購入するシステムです。また、車椅子などに故障や不都合な箇所があれば、その修理は月にli2回巡回してくる業者に頼むほかはありません。いうまでもなく、日本のシステムでは、業者が機器を納入するまで移動が制限されることになります。このように西欧先進国と日本とでは、移動に対する熱心さが異なるのです。フランスで見学した特別養護老人ホームはパリ市内の下町にある8階建てのアパートでしたが、ーフロアには4:5人くらいしか住めないペンシル型のマンションのようでした。

立つ場合、歩く場合

その後ランクA以上にまで回復したが再発作などのきっかけで再度寝たきり(ランクB以下)になった(7初回きっかけ調査時脳卒中などのきっかけで、一度ランクAにまで落ち、その後再発作などのきっかけで寝たきりになった(1296)老衰や難病などの人たちについて、明確なきっかけが一つもなく一進一退で徐々に寝たきりになった(2396)*告例の複合したパターンも多々みられます。AOL:アクティピティーズオブデイリーリビング=日常生活能力。高齢者の介盟認定などに用いる。:介助を受けて外出できる。B室内なら移動できる。:ベッド上でのみすごす。では、どのようにすれば寝たきりにならないで済んだのでしょうか。それに対する意見は五つに分かれましたが、もっとも多い意見はリハビリテーションでした。その他、本人の努力、家族の努力、適切な介助、病気の予防などの意見がありましたが、いずれにしても寝たきりの半分は防げそうです。過度の安静で「寝かせきり」にしない寝たきりを防ぐ心得の第1、第2、第3は、前にも述べてきましたように、①朝起きたら着替え、身だしなみを整える③手を出さず目を離さず見守るといった適切な介助と、それらを積極的に行う維持的リハビリテーションです。これら介助、リハビリテーションは概念的な表現ですので、その具体的な内容については、このあとの各節で座る場合、立つ場合、歩く場合などと動作別に説明していきます。第3のあと第4、第5と続く心得は、④過度の安静に甘えての寝かせきりをつくらない⑤家の中や周囲の移動を阻害する構造を取り払うの二つです。肺炎や結核が全盛をきわめた切年前までは、病気になるとまず安静が求められたものです。効果的な化膿止めの薬がない状況では、体内に入って繁殖している細菌の勢いを削ぐには体力をつけることと、安静にして鎮静化を促す以外に効果的な方法がなかったからです。安静による弊害こそ危険、精神的にも身体的にもおさえこまないところが、その頃の経験が高齢者の知識としていまでも頭の中にこびりつくようにして残り、生活習慣病に惹起される脳卒中や心筋梗塞、骨折などが主流を占める現在でも過度の安静を守ったほうが予後が良くなると思っている高齢者が多くいます。確かに脳出血や心筋梗塞の直後、骨折のため足がぐらぐらしている場合など安静を要する時期もあるでしょうが、多くは213日、長くても1週間も経てば安静が解除されても元の病気を悪くするものではありません。