在宅リハビリテーション

むしろ、脳卒中などの場合は早くから座る、立つなどで筋肉や骨に刺激を加えると回復が早いとの考えにもとづいて、からだがぐらついていても両脚全体を長い装具の中に入れて無理に立たせる治療法もあるくらいです。もちろん医師やプロの療法土が深い知識と経験にもとづいて行いますので、一般の人たちが物真似で行うのは禁物です。心筋梗塞についても、日本では最近でこそ2週間程度で治療を終えていますが、以前は1ヵ月も1ヵ月半も安静をとって治したものです。ところが、米国では病院によっては心筋梗塞発病後2日も経てば退院させて、在宅リハビリテーションのプログラムに沿って治しているところもあるぐらいです。日本では本人が病気の再発を恐れ、また病気にともなう次の症状発現を恐れて、過度の安静を求め、家族は家に閉じこめようとする傾向がみられますが、これらは寝たきりにさせないための心得に反します。静かにしすぎることは別の合併症を予防するよりも、安静による弊害を徐々に、そして確実に進行させます。したがって、高齢者は病気の呪縛から早く逃れることご家族は高齢者を精神的にも身体的にもおさえこまないことが大切です。東京都立の老人専門病院に長く勤務していた関係で、海外の老人ホームは日本の老人ホームの居住者とどのように異なるのか、海外から参考になることはないのかなどについて、デンマークやフランスの特別養護老人ホ!ムを視察したことがありますが、それぞれの国の施設にはおのおの優れた点があり、参考になることが多くありました。移動能力の維持、地元に住み続けることへの配慮が深い西洋の施設デンマークで見学した老人ホlムでは、入所高齢者はたとえ車椅子や歩行器が故障しても長期間にわたって動きが制限されないようにと、施設内に車椅子や歩行器杖を製作修理する部門が併設されており、専門の職員が旋盤機などを扱って作業をしていました。日本では医師の意見書にもとづき、役所の認可によってはじめて歩行器や車椅子を業者から購入するシステムです。また、車椅子などに故障や不都合な箇所があれば、その修理は月にli2回巡回してくる業者に頼むほかはありません。いうまでもなく、日本のシステムでは、業者が機器を納入するまで移動が制限されることになります。このように西欧先進国と日本とでは、移動に対する熱心さが異なるのです。フランスで見学した特別養護老人ホームはパリ市内の下町にある8階建てのアパートでしたが、ーフロアには4:5人くらいしか住めないペンシル型のマンションのようでした。